台風と働き方改革
さて、この三連休は台風直撃で各地で大変な思いをされている方も多そうです、皆さま兎にも角にも安全第一で。東京(関東地方)ではお休み明けの通勤時間帯の交通機関にも影響がありそうという予報を聞き、最近ほぼフルリモートで家に閉じこもっている筆者は念のため社外の対面ミーティング予定がないかOutlookをチラ見したのみ(もちろんそんな予定は入っていなかった)なのですが、これもコロナ禍を経て在宅勤務が一般的になったからこそできることなのですよね。
そもそも筆者が社会に出てから長い間、他の業種はともかく金融業界では仕事はオフィスでするのが当たり前でリモートワークなんて夢のまた夢といった感がありました。台風が来そう、大雪で電車が止まりそうということになれば自費で会社付近のホテルを予約して出社に備える上司や、自家用車で出社を試みる先輩が多数、、それがいつからですかね、無理に出社しちゃダメなんだという風潮になってきたのは。。むしろ最近では部下に在宅勤務や時差出勤を促さないマネージャーは悪といった雰囲気まであるので世の中の変化には驚かされるばかりです。
そう言う筆者も若かりし頃はあまりの多忙さに時にはオフィスに寝袋を持ち込んだり、職住近接していたこともあって往復ともタクシー通勤が日常と化していたため、今の若者たちにとってこのようなワークとライフのバランスが果たして良いことなのかどうかよくわからなかったりしています。人生の一時期、仕事漬けになってみることも必要なんじゃないか、、というのはやはり昭和的価値観なのでしょうか。
外資金融用語辞典②「CAPとDCF」
今日はCAPレートとDCFについて書いていきます。もはや外資金融用語でもなんでもなく、金融関係のお仕事をかじっている方なら常識と思われますが、そもそもこれっていつ頃から広く使われるようになったのか、ご存知ですか?
筆者の知る限り、ふた昔ほど前までの銀行の担保評価は土地であれば路線価だとか公示地価の○倍、株式であれば類似業種の株価の△倍といった方式が主流であったように思われます。読者の皆様は昼下がりの銀座の通り沿いで、ウインドウショッピングとは無縁そうな背広姿のオジサマ集団が難しい顔を突き合わせて地面の一点を睨みつけている現場に遭遇したことはありませんか?あれは不動産の売買につきものの測量作業をしているところなのですが、中央通りに面していれば一坪○億円の値がつくわけですから境界確認もミリ単位で真剣に、ということになるわけです。このように単価×数量で担保評価をしていた時代から金融危機だの不良債権処理の時代を経て収益価値に着目した資産評価の手法=CAPレートやDCFを用いた収益還元的な評価方式が導入され、今や街の不動産屋さんでさえキャッシュフローが大切だと言うようになったわけです(とはいえ境界確認は大事)。
しかしそれにしても、この将来に渡って得られるであろう収益や効用を期待利回りで割り戻すことで、どんなものにも値段をつけられるというのは、いかにも外資ファンド的な考え方ではないでしょうかね。筆者も幾多のプロジェクトのValuationを見てきましたが、実際の事業はExcelのワークシート通りに進んでいくような易しい世界ではないということを何度思い知らされたか、、かつての単価×数量と違って、キャッシュフローの引き方は様々な前提条件次第であり、あくまでもシュミレーションに基づいて値付けをしているということを忘れずに、時には数年前のプロジェクションを実際と照らし合わせて答え合わせをしてみることも必要ではないかなと思います。自戒を込めて、、次回に続きます。
外資金融用語辞典①「コンプ」
この記事を読んで下さる方ってどんな方がいらっしゃるのでしょう。既に外銀にお勤めの方、これから外資金融の世界を覗いてみたい方など、、少しでも色々なステージの方のお役に立てればと願っておりますので、筆者としても試行錯誤しながら「外資金融用語辞典」を展開していければと考えております。
第1回目は「コンプ」について書いていきます。
20年ほど前に初めての転職をしたことは先に述べたのですが、転職=新しい職場との条件交渉なわけです。極めて高いポジションの移籍では交渉ポイントも多岐にわたり、時に国をまたいでのリロケーションを伴う場合は住居費用や子女の教育のための支出、医療費の取扱なども取り決めが必要になるのですが、一般的な転職の場合に論点になるのはポジション(タイトル)と給与水準ということになるでしょう。大体の場合はポジションによってベースサラリーのレンジが決まってくると思われますが、人材市場の需給環境や前職での給与水準によって交渉の余地は当然あります。大前提として、まともな日本企業であれば人事諸規則の中に報酬体系の定めがあり勤続年数や役職で給与水準が決まる仕組みなので、同期入社で役職も同じであれば給料もほとんど同じという世界ですが、外銀ではそのような概念は通用しません。給料は交渉で決まるものであり、机を並べている同じタイトルの同僚がいくらもらっているかはわかりませんし、親しくなったとしても給料の話はしないのが常識とされています。ちなみに筆者の最初の転職でも、エージェントを介して最初に提示されたタイトルはアナリストでしたが、まだ転職するということに迷いもあったのでしばらく放っておいたらいつの間にかアソシエイトに変わり、年俸も何百マンか増額改定されていました。。提示する側からしても転職者の実力は未知数なわけですから、できるだけ安く雇いたいと考えるのは当然と思う反面、少しでも高いオファーを得るために面接などで実力以上に盛りに盛ったエピソードばかり披瀝するのも入社後に自分がつらい思いをするだけなので考えものです。結局、実力をきちんと伝えて適切な評価をしてくれる職場を見つけるのがサステナブルと言えそうです。
なんだか前置きが大変長くなりましたが表題の「コンプ」はCompensationの略で、エージェントとの会話で頻出するでしょう。ベースサラリーやボーナス、場合によっては住宅手当その他を総称した報酬を意味します。企業や資産価値のValuationをする際の競合事例を示す「コンプ」もありますがこちらはComparable(s)の略なので混同しないように。次回以降に続きます。。
外資での人間関係
さて、転職したばかりの筆者に与えられたタイトル(肩書)は「アソシエイト」でした。最近ではご存じの方も増えてきたかと思いますが、米系投資銀行では基本的にアナリスト→アソシエイト→Vice President(VP)→Director(D)→Managing Director(MD)の5段階しか肩書はありません。主任と係長、課長補佐と部長代理とか、どっちが偉いのかわからない役職が多数存在するJapanese Traditional Companyに比べると随分シンプルな構成です。
実力主義が徹底されている世界なので当たり前に年上の部下、年下の上司に出会いますし、数年で一気にMDまで駆け上がるサクセスストーリーを目の当たりにすることもある一方で、万年VPがいたり中にはVPに上がれず去っていく人も、、ちなみに一部の新卒採用者を除けば定期的な人事異動で他の部署にローテーションということはなく、出世(Promotion)は基本的に部門ごとに直属の上司の裁量に委ねられているので、人間関係は外から見ているよりもウェットです。上司との関係性はPromotionやボーナス査定と背中合わせですから外銀でサバイブしていくためにはここの部分の処世術は必須と言えるでしょう。なかなかリアルな金額は伝えづらいところがありますが、折を見てこのあたりのこともまとめてみたいと思っています。
上記のような人間関係だけでなく、筆者が個人的にエキサイティングに感じたのは外国人の同僚と仕事をすることですかね。もちろん皆優秀ですが、それまで筆者が属していた「同僚のほとんどが東京六大学出身」という均質なコミュニティとは全く異なる多様なバックグラウンドを有する同僚とのコミュニケーションは言語の問題以上のカルチャーギャップがあったかもしれません。例えば同年代の韓国人の同僚は、韓·日·英語を自在に操り、それぞれの国で有名大学を卒業、数学の博士号まで持っているにも関わらず社会人1年目なので業務知識が皆無という、わけのわからないことが起こります。抜群の性格の良さとクレバーさ、そして実は大財閥の御曹司だったりもするため交友関係から大きなビジネスチャンスを掴んできたりするので決して侮ってはいけないということを後に学ぶのですが。。
Welcome on board!
20年ほど前、筆者は8年ほど勤めた邦銀を退職し米系の投資銀行に転職したのです。その初日にチームメンバーから届いていたのが表題の「Welcome on board」という一行のメール。
帰国子女でもなく学生時代の英語の成績はよく言って並レベルだった上、社会に出てから仕事で使うメールといえば「お世話になっております」から始まり「よろしくお願い致します」で締めるのが当たり前というドメスティックな世界にどっぷり浸かっていた筆者としては、このあまりに潔い歓迎の挨拶にどう反応すればよいのか、慣れないUSキーボードが装備されたPCの前で暫し固まってしまったことを思い出します。
今では返し方もいくつか思い浮かびますが、Thanks. I am glad to work with you. とか、Very happy to join the strong team. とでも書いておけば大丈夫でしょう。日本人的メンタリティでは「微力ながら」とか「ご迷惑おかけすることもあるかと思いますが」とかやりたくなりますが、外資系の職場で生き残るために求められるのはいち早く結果を出すために少しでも多くの仕事にアサインされるチャンスを得ることですから、必要以上に謙虚になることはありません。
このブログでは筆者が仕事をしながら身につけた英語でのコミュニケーションTipsや、転職にまつわるエピソード、プライベートな出来事などを思いつくままに綴っていきます。



