元外資系投資銀行マンのひとり言

グローバルな金融プレイヤーになりたかった。。

外資金融用語辞典②「CAPとDCF」

今日はCAPレートとDCFについて書いていきます。もはや外資金融用語でもなんでもなく、金融関係のお仕事をかじっている方なら常識と思われますが、そもそもこれっていつ頃から広く使われるようになったのか、ご存知ですか?
筆者の知る限り、ふた昔ほど前までの銀行の担保評価は土地であれば路線価だとか公示地価の○倍、株式であれば類似業種の株価の△倍といった方式が主流であったように思われます。読者の皆様は昼下がりの銀座の通り沿いで、ウインドウショッピングとは無縁そうな背広姿のオジサマ集団が難しい顔を突き合わせて地面の一点を睨みつけている現場に遭遇したことはありませんか?あれは不動産の売買につきものの測量作業をしているところなのですが、中央通りに面していれば一坪○億円の値がつくわけですから境界確認もミリ単位で真剣に、ということになるわけです。このように単価×数量で担保評価をしていた時代から金融危機だの不良債権処理の時代を経て収益価値に着目した資産評価の手法=CAPレートやDCFを用いた収益還元的な評価方式が導入され、今や街の不動産屋さんでさえキャッシュフローが大切だと言うようになったわけです(とはいえ境界確認は大事)。
しかしそれにしても、この将来に渡って得られるであろう収益や効用を期待利回りで割り戻すことで、どんなものにも値段をつけられるというのは、いかにも外資ファンド的な考え方ではないでしょうかね。筆者も幾多のプロジェクトのValuationを見てきましたが、実際の事業はExcelのワークシート通りに進んでいくような易しい世界ではないということを何度思い知らされたか、、かつての単価×数量と違って、キャッシュフローの引き方は様々な前提条件次第であり、あくまでもシュミレーションに基づいて値付けをしているということを忘れずに、時には数年前のプロジェクションを実際と照らし合わせて答え合わせをしてみることも必要ではないかなと思います。自戒を込めて、、次回に続きます。